Listening
TOEIC Part 1(写真描写)を攻略する——3秒で「見る→言う→聴き分ける」
写真の「何を見るか」と音の「何を聴き分けるか」を明確化。視覚スキャン→文型化→音変化の三点で、消去法に頼らず正面から正解に到達する実践ガイド。
読了目安: 10分
ステップ1:写真の「何を見るか」を明確にする
Part 1では、写真から必要な情報だけを素早く抜き出すのが第一歩です。
- 主語:誰・何が中心か?(例:a man, two women, some boxes)。“最も大きい/手前/動きがある”要素を優先して一つに決める。
- 動作/状態:今まさに動いているのか(is/are -ing)、それとも静止した結果なのか(be p.p./分詞形容詞)? 手の動き・視線・道具の使用が手掛かり。
- 位置関係:どこにあるか?(例:on, in, by, beside, behind, along, across)。前置詞は一つに絞って“関係”を言い切る。
- 数量/可算・不可算:a pair of, several, a couple of。furniture, equipment など不可算は単数扱い→“are”と矛盾しないか確認。
- 主体と背景の切り分け:遠景のポスター・看板は原則“根拠にしない”。主体の手・体・道具に結びつく情報を優先する。
この三要素(+必要なら数量)を3秒以内で押さえると、選択肢を聞く前に自分の「正解文」を頭の中で組み立てられるようになります。小声で1文を即口出しできるとさらに安定します。
ステップ2:英語の「型」を口になじませる
作った正解文は、定番の英語表現にはめ込むと即座に口から出せます。
- 動作中:A man is -ing a tool.(is reaching for / is wiping / is pouring など動詞を差し替え)
- 配置/結果:Boxes have been stacked on the pallet./The chairs are arranged in rows.
- 状態:The table is unoccupied./The shelves are fully stocked.(分詞形容詞で“見えている状態”を表す)
- 位置:A vehicle is parked beside the curb./A bag is placed on the counter.
テンプレートを丸暗記するのではなく、写真に合わせて主語や動作・位置を入れ替えられるところまで練習しておきましょう。対概念もペアで練ると効果的(put on↔wear/open↔be open/pick up↔set down/look at↔look for)。
迷ったら“進行・受動・状態(形容詞)”の三択に還元し、最も写真に素直な説明を選ぶのがコツです。
ステップ3:音で差を付ける
音声では次のポイントを意識すると、微差で外す場面が減ります。
- -ed の語尾を落とさない(stacked / lined など)。/t/・/d/の有無が“進行 vs 結果”の決め手になる。
- 単複と動詞の一致を確認する(glass / glasses, is / are)。数量詞(a pair of / several)や名詞の語尾を必ず拾う。
- 連結や弱形をシャドーイングで再現する(is arranged, placed on, next to)。前置詞は弱く短くなるので“直後の名詞”とセットで聞く。
- /θ/・/ð/ や /l/・/r/ の子音対立を聞き分ける。mouth→/θ/、those→/ð/。light↔right の最小対立を毎日10回音読。
聞き取れなかった箇所は録音して振り返り、翌日の練習で重点的に復習しましょう。発音→録音→再現の3ステップで“聞こえる耳”を作れます。
仕上げの10分ルーティン
毎日のトレーニングは10分で区切ると継続しやすく、集中力も保てます。
- 1分:3秒スキャンで主語・動作/状態・位置をメモ。可算/不可算・単複の仮説も一語で添える。
- 3分:スクリプトなしで音声を聞き、即席の正解文を口頭で作る。対概念(put on↔wear など)で“もう1文”も即興。
- 4分:シャドーイングで音の連結と語尾を確認。-ed の/t/・/d/、前置詞の弱化、is/are の一致を重点チェック。
- 2分:誤答の原因をタグ付け(時制/受動/位置/数量/単複/語尾-ed/対概念/発音θðlr)し、翌日の重点に回す。前日の上位タグを必ず1つ解消する。
短時間でもこのサイクルを回し続ければ、Part 1は安定して高得点を狙えます。素材は毎週5〜10枚ずつ追加し、同一写真で“進行版・受動版・状態版”の3文を作ると定着が加速します。